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かくをたのしむボード Write More

    Write More(ライト・モア)は、書くことが楽しくなるボードです。
    カリカリ、ガリガリ、サラサラといった書くときにでる音“筆記音”を大きくすることができます。

    掲載情報の概要

    「勉強したくなる机」というコンセプトで開発した学習支援プロダクト。人がものをかく際に生じる筆記音を増幅して書き手に伝えることで、聴覚を刺激し、書き手、特に子どもたちが文字や絵をかく際の継続意欲や作業効率、学習への楽しさを高めていくことができます。デジタル機器では失ってしまう「かく」感覚は創造性を育むために大切です。自伐型林業を進める高知県佐川町の間伐材を活用した製品づくりで、主要産業である林業を活性化し、町の自慢である教育・子育てを支援する商品です。

    背景

    モノを書くと言う「目(視覚)」と「手(触覚)」だけで行われていると思われがちな文字を書くという体験に「耳で書く音を聞く」ことを加えることで筆記体験が大きく変わります。5つの感覚が互いに交わり相互に作用しながら感覚は生れています。このような感覚の仕組みがクロスモーダル(感覚間相互作用)と呼ばれ、得る感覚や体験そのものを自由に設計できるものづくりやサービスデザインに活かせるとして近年注目されています。
    聴覚を刺激し、子どもたちが文字や絵を描く際の継続意欲や作業効率、学習への楽しさを高めます。

    デザイナーの想い

    幼少期に、文字を書く、絵を描くという体験に「面白さ」を感じてもらうことで、勉強や芸術活動への前向きな第一歩を後押しし、子どもの創造性をはぐくむことを目指しました。義務化された書く、描くから、「かくをたのしむ」へ。

    企画・開発の想い

    【かくをたのしむボード「Write More」】カリカリ、サラサラ、ガリガリ。文字を書くときに発する音である筆記音。東京大学苗村研究室によると、この音が大きくなると、人は集中力が増し、書くことに快感を覚え、美しい線や文字を書けるとのこと。この研究成果を活かして、子どもが楽しく、集中して「あいうえお」を学べる勉強キットを開発しました。

    創意工夫

    クロスモーダル(感覚相互作用)の最先端研究を行っている東京大学苗村研究室の「筆記音(聴覚)」の拡大フィードバックが人の「書く」行為の効率性、創造性を向上させるという研究成果を子ども向けに実用化しました。また、キーデザインには、Write Moreの頭文字と、筆跡を想起させる「w」を採用し、プロダクトの中で重要な役割を担う「スピーカー」として意匠を施しました。

    掲載情報の詳細

    論文元/参考文献1
    Write More 商品ページ https://issueplusdesign.jp/writemore/
    JWDA記事編集者
    ディレクター 佐藤 理恵
    JWDA公開日
    2024年3月30日
    閲覧/入手/技術提供
    の方法(連絡先)
    issue+design