日本の森林・木材利用の現状

    日本は、森林が約2500万haと国土の約7割を占め、森林率はフィンランド、スウェーデンに次いでOECD加盟国中第3位の森の国です。

    掲載情報の概要

    人の手で植えられた人工林は森林の約4割の約1020万haを占めます。樹種別にはスギ44%、ヒノキ25%、カラマツ10%と針葉樹が中心です。自然の力で更新される天然林等は森林の約6割。

    日本は森の国

    日本は、森林が約2500万haと国土の約7割を占め、森林率はフィンランド、スウェーデンに次いでOECD加盟国中第3位の森の国です。人の手で植えられた人工林は森林の約4割の約1020万haを占めています、樹種別にはスギ44%、ヒノキ25%、カラマツ10%と針葉樹が中心。自然の力で更新される天然林等は森林の約6割で、人の手が全く入っていない原生林はごくわずかです。日本には古くから木を暮らしに使い、森とともに生きてきた歴史があります。

    日本の人工林は少子高齢化

    日本の森林は、先人がはげ山に植林をしたものが成長し、人工林を中心に毎年約6千万㎥増加、現在は約56億㎥の森林蓄積を誇ります。面積ベースで人工林の6割が50年生を超えて利用期を迎える一方、新たに植林される面積は少なく少子高齢化の様相を呈しています。木材価格の低迷による林業不振等から手入れが不足している森林も多く、この豊富な資源を「伐って、使って、植えて、育てる」循環活用を進めていくことが必要とされています。かつての薪炭林など放置されて藪化した天然林等も、生物多様性の保全、土砂災害の防止、水源のかん養、保健休養の場の提供などといった多面的機能発揮の観点から手入れをしていくことが肝要とされています。

    森林の機能は年間70兆円以上

    森林は、木材等の林産物供給の他にも、土砂崩れや洪水の防止、水源の涵養、地球温暖化の防止、生物多様性の保全、保健・レクリエーションや文化への貢献などの多面的機能を果たし、私たちの暮らしの基盤となる自然資本です。陸域生物の8割は森林に生息するといわれていますが、豊かな森林が川や里を通じて海の生物多様性保全にも貢献していることがわかっています。これらの森林の多面的機能は、一部の貨幣評価できるものだけでも年間約70兆円もあり、豊かな森林を次世代につないでいくことが大切です。

    木材の自給率は約4割

    木材需要量は、1996年以降は減少傾向で推移していましたが、近年は回復傾向を見せています。また、「再生可能エネルギー固定価格買取制度(FIT)」に伴う木質バイオマス発電施設の増加により、燃料材の需要量が急増しています(過去10年間で約8倍)。

    木材供給量は、1996年をピークに輸入量が減少傾向がみられていますが、国産材の供給量は2002年を底に増加傾向にあります。木材自給率も、2002年の18.8%を底に上昇傾向をみせ、2023年は42.9%でした。

    掲載情報の詳細

    論文元/参考文献1
    林野庁「森林・林業・木材産業の現状と課題」 https://www.rinya.maff.go.jp/j/kikaku/genjo_kadai/index.html
    JWDA公開日
    2024年10月19日

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