#36

日本人以外を対象にした「木の良さ」に関する研究も増えています

心理面の効果 リラックス・癒し効果

掲載情報の概要

4種類の加工を施して手触りの評価をしたフィンランドの研究があります。また、日本人とスウェーデン人が木材の印象を評価した研究では、「手触りだけ」の場合は「快適さ」の評価には両国の差はあまり見られませんでした。

目次

スコッツパイン(針葉樹)とオーク(広葉樹)を用い、表面に①中目(240番)の紙やすりでサンディング、②金属ブラシでブラッシング、③ニス塗り、④ワックスがけ、という4種類の加工を施して手触りの評価をしたフィンランドの研究があります。2樹種とも、紙やすりやブラシで表面を磨いた木材の方が、塗装した木材よりも、触ったときの快適さやリラックス感が高いと評価されました(図1)。

【図1】木材表面の加工の違いによる接触した際の快適感の違い(文献を改変)

日本人とスウェーデン人が木材の印象を評価した研究では、「手触りだけ」の場合は「快適さ」の評価には両国の差はあまり見られませんでした。一方、見た目による評価では、例えば日本産ナラ材をスウェーデン人は「快適」、日本人は「不快」と評価しました(図2)。その他の評価から「スウェーデン人は目立つ木目があった場合、そこに注目するとともに全体の調和を重視する、日本人も木目に注目するが、不均一であると嫌うという傾向があるのではないか」と考察されています。

【図2】日本産ナラ材に対する日本人とスウェーデン人の評価

掲載情報の詳細

論文元/参考文献1
建物の内装木質化のすすめ-科学的データが示す内装木質化の効果- 2024年3月発行 公益財団法人 日本住宅・木材技術センター https://www.howtec.or.jp/files/libs/5636/202409201927031749.pdf
論文元/参考文献2
出典/ Bhatta 他:Frontiers in Psychology, 2017 Peterson 他: International Journal of Affective Engineering, 2019
JWDA公開日
確認中...
ダウンロード