色・模様・木目の視覚的要素が、脳の活動の鎮静化に影響することが分かってきました

心理面の効果 心地良さ・落ち着き感を高める効果
木の板壁は、無地灰色の壁よりも脳活動を鎮静化する(落ち着かせる)ことが認められました。「横張り」及び「縦張り」の板壁画像は「無地灰色」よりも左右の前頭前野の酸素化ヘモグロビン濃度を有意に減少させ、つまり脳活動を鎮静化しました。
木の板壁は、無地灰色の壁よりも脳活動を鎮静化する(落ち着かせる)ことが認められました。「縦張り」および「横張り」の板壁をコンピュータ・グラフィックスで表現し、85V型大型4Kディスプレイに等倍表示されたこれらの画像を観察する被験者の心拍変動や前頭前野部( 額) の酸素化ヘモグロビン濃度※を測定しました。その結果、「横張り」及び「縦張り」の板壁画像は「無地灰色」よりも左右の前頭前野の酸素化ヘモグロビン濃度を有意に減少させ、つまり脳活動を鎮静化しました。また、有意な差ではありませんが、「縦張り」の方が「横張り」よりも酸素化ヘモグロビン濃度が減少しており、同時に行われた主観評価において「縦張り」の方が「横張り」よりもリラックス感が強いとされたことと矛盾がありませんでした。


【図1】視覚刺激として使用された3 つの画像
【図2】左右の前頭前野の酸素化ヘモグロビン濃度の変化量
※酸素化ヘモグロビン濃度:酸素は生物の細胞にとって燃料のようなものです。血液中のヘモグロビンは肺で酸素と結びつき、からだ中の細胞に酸素を運びます。酸素化ヘモグロビンとは酸素と結びついたヘモグロビンのことで、この濃度が体内のどこかで高まることは、その部分が活発に活動していることを意味します。
【効果が期待される建物・空間例】
事務所、研究施設、研修施設、病院・診療所、学校

ジューテック本社ビル
Users VOICE/事務所のラウンジの例
事務所のラウンジを木質化することにより、就労者同士がリラックスした状態で交流を活性化し、新たな発想を促すことが考えられます。
掲載情報の詳細
- 論文元/参考文献1
- 建物の内装木質化のすすめ-科学的データが示す内装木質化の効果- 2024年3月発行 公益財団法人 日本住宅・木材技術センター https://www.howtec.or.jp/files/libs/5636/202409201927031749.pdf
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