#41

待合室の木質化などにより、病院を「利用したい」印象が高くなることが分かってきました

心理面の効果 モチベーション・積極性を高める効果

掲載情報の概要

待合室や外観のデザインを工夫することにより、病院の利用者の印象を改善する可能性があること、利用者の不安やストレスを和らげ快適性や満足度を高める可能性があることが示唆されました。

目次

15の病院の待合室と外観の写真を学生に見せ、印象評価を行いました。利用したい得点の上位・下位それぞれ5つずつの病院を対象として比較を行ったところ、暖かみのある、開放的な、落ち着く、きれいな、親しみやすい、楽しい、安心な、明るい、近づきやすい、信頼できる等の項目で、有意差が認められました(図1)。待合室については木材や木材風の床、間接照明、吹き抜けやアーチ状の天井といった特徴のある病院、外観については非対称的なデザインや茶系の壁の病院で、「利用したい」印象が高くなりました。待合室や外観のデザインを工夫することにより、病院の利用者の印象を改善する可能性があること、利用者の不安やストレスを和らげ快適性や満足度を高める可能性があることが示唆されました。

【図1】高利用喚起病院群と低利用喚起病院群
(「利用したい」項目の得点の上位・下位の病院5つずつの評価項目ごとの平均値)

「利用したい」印象が高かった待合室の例

【効果が期待される建物・空間例】

病院、診療所、デイサービスセンター

お産の森 いのちのもり 産科婦人科 篠﨑医院

Users VOICE/診療所の待合室の例

待合室や診察室などに木材や木材風の素材を取り入れることで、受診や不慣れな場所にいる不安を和らげ、快適に待ち時間を過ごせると考えられます。

掲載情報の詳細

論文元/参考文献1
建物の内装木質化のすすめ-科学的データが示す内装木質化の効果- 2024年3月発行 公益財団法人 日本住宅・木材技術センター https://www.howtec.or.jp/files/libs/5636/202409201927031749.pdf
論文元/参考文献2
出典/陶、羽生:日本大学心理学研究、2012
JWDA公開日
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