#49

木材の吸放湿作用が、室内空間の湿度をある程度一定に保ちます

衛生面の効果 湿度を調節する効果

掲載情報の概要

実験で内装に木の無垢材を用いた部屋と、木目調のビニルクロスを用いた部屋で睡眠時における室内の湿度を測定すると、季節に関わらず、無垢材の部屋の方が、ビニルクロスの部屋より湿度が低くなります。無垢材が吸湿作用を発揮し、その上昇を抑制したと考えられます。

目次

木は伐られて木材に加工されても周囲の温度や湿度の変化に合わせて空気中の水分を吸収・放出したりします。実験で内装に木の無垢材を用いた部屋と、木目調のビニルクロスを用いた部屋で睡眠時における室内の湿度を測定すると、季節に関わらず、無垢材の部屋の方が、ビニルクロスの部屋より湿度が低くなります。通常、寝ている状態では人の呼気や発汗等により時間と共に湿度が上昇しますが、無垢材が吸湿作用を発揮し、その上昇を抑制したと考えられます。ビニルクロスを使用した内装では、水分をあまり吸収しない素材が表面に露出しているため、容易に湿度が上昇します。

【図】内装の違いによる室内の湿度変化

A 棟(無垢材)のほうが B 棟(木目調のビニルクロス)よりも湿度が低く保たれている。
(図中の*は A 棟と B 棟に明白な差が認められたことを示す)

【効果が期待される建物・空間例】

子育て・児童施設

南方熊楠顕彰館

Users VOICE/博物館の収蔵庫の例

人の快適感を高めることだけでなく、収蔵庫の床や壁・収納棚等に木を用いることにより、調湿効果を高め、資料の保存に役立つものと考えられます。

掲載情報の詳細

論文元/参考文献1
建物の内装木質化のすすめ-科学的データが示す内装木質化の効果- 2024年3月発行 公益財団法人 日本住宅・木材技術センター https://www.howtec.or.jp/files/libs/5636/202409201927031749.pdf
論文元/参考文献2
出典/本傳他: 日本木材学会九州支部大会講演集、2016
JWDA公開日
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