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木材はアンモニア等の悪臭成分を吸着することによる消臭効果を有します。精油を取った後の枝葉や木材チップを乾燥させ悪臭に暴露した試験では、アンモニアの濃度が急激に低下しました(図1)。活性炭は悪臭をよく吸着することが知られていますが、枝葉や木材チップも、同等の消臭効果をもつことが示されています。

【図1】木材チップ等の曝露に対するアンモニア濃度の変化
木材から調製された精油には、二酸化窒素等の大気汚染物質の除去作用(図2)もあります。スギの精油や抽出物には、黄色ブドウ球菌に対し強い抗菌活性も報告されています。精油では主にテルペン類等の低沸点化合物によって、菌の生育抑制または殺菌効果が発揮されたと考えられます。
樹木の精油における二酸化窒素等の大気汚染の除去効果
大気を混和すると、トドマツ葉精油は120分後に二酸化窒素が100%除去されました。ヒノキやスギの精油も、120分後には約50%の除去率を示しました。これらには精油に含まれるテルペン類が関与しています。

【図2】各種樹木精油の二酸化窒素除去率
掲載情報の詳細
- 論文元/参考文献1
- 建物の内装木質化のすすめ-科学的データが示す内装木質化の効果- 2024年3月発行 公益財団法人 日本住宅・木材技術センター https://www.howtec.or.jp/files/libs/5636/202409201927031749.pdf
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