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集合住宅のリビングルームの床を畳あるいはカーペットから木の床に改装し、改装前6カ月と改装後11カ月の各月毎に各部屋の床上及びカーペット、ソファー、ベッドのダニ数を測定しました。結果、8月と9月の1㎡あたりのダニ数の平均は104匹から23匹に減少したという研究結果が得られています(図1)。

【図1】木の床への改装によるダニ数の変化(床上のダニ数の月別比較)
またダニをいれた通気穴のある容器を木材チップの上に設置後、温度25℃・相対湿度85%の環境で、72時間後まで動いているダニ数の割合を算出しました。結果、チップから発散される匂い成分には、ダニの行動を抑制する効果があるという研究結果が得られています(図2)。

【図2】木材チップから発散される匂い成分がヤケヒョウヒダニの行動に及ぼす効果
チリダニ類とアレルギー性疾患の因果関係
住宅の中には、通常、ヤケヒョウヒダニ(Dermatophagoides pteronyssinus)等のチリダニ類が生息し、それらのフンや死骸も存在します。それらは、気管支喘息やアトピー性皮膚炎等のアレルギー性疾患を引き起こす原因のひとつです。ダニが原因となるアレルギー性疾患を防ぐためには、家の中のダニ数を減少させ、ダニと接触する機会を減らすことが重要です。
掲載情報の詳細
- 論文元/参考文献1
- 建物の内装木質化のすすめ-科学的データが示す内装木質化の効果- 2024年3月発行 公益財団法人 日本住宅・木材技術センター https://www.howtec.or.jp/files/libs/5636/202409201927031749.pdf
- 論文元/参考文献2
- 出典/高岡正敏ほか: 日本衛生学雑誌, 42, 223 (1987) https://www.nihon-eisei.org/
- 論文元/参考文献3
- 出典/Hiramatsu Y, Miyazaki Y: Effect of volatile matter from wood chips on the activity of house dust mites and on the sensory evaluation of humans, Journal of Wood Science, 47, 13‒17, 2001 https://jwoodscience.springeropen.com/articles/10.1007/BF00776639
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