保育室の木質化と子供の集中力向上や倦怠感低減が関係する可能性が報告されています

学習・生育面の効果 子供の集中を助ける効果
掲載情報の概要
3~5才児を対象とした保育室において、保育者を対象に子供の様子を聞くアンケート調査をしたところ、非木質化室では「イライラ、気が散る等の注意集中の困難」や「不快感、頭痛等の局在した身体違和感」が、木質化や半木質化された保育室よりも見られやすいという結果になりました。
目次
3~5才児を対象とした保育室において、保育者を対象に子供の様子を聞くアンケート調査をしたところ、非木質化室では「イライラ、気が散る等の注意集中の困難」や「不快感、頭痛等の局在した身体違和感」が、木質化や半木質化された保育室よりも見られやすいという結果になりました。また、木質化された部屋での特徴的なエピソードとして「模様を見て楽しむ」「寝っ転がる」、「床に座る」といったことも多く挙げられています。非木質化室の保育者も含めて、「木の環境があった方が良い」との回答が90%を超えていました。一方この調査では、木質化室の「ささくれ・とげができる」といった悩みも報告されています。

【図】子供の倦怠感と木質化の関係(3~5才児・一斉保育)
眠気とだるさ:身体がだるそう、あくびがよく出る、頭がぼんやりしている、ねむそう、机やいすに伏せたがる
注意集中の困難:イライラ、気が散る、物事に熱心になれない、間違いが多い、根気がない
局在した身体違和感:不快感、頭痛、腹痛、口の渇き、足の冷え
【効果が期待される建物・空間例】
子育て・児童施設、学校

牛久市立第一幼稚園
Users VOICE/幼稚園の保育室の例
木質化した園舎で、子供たちが笑顔でのびのびと生活している様子を微笑ましく感じるとの保育者の声があります。
掲載情報の詳細
- 論文元/参考文献1
- 建物の内装木質化のすすめ-科学的データが示す内装木質化の効果- 2024年3月発行 公益財団法人 日本住宅・木材技術センター https://www.howtec.or.jp/files/libs/5636/202409201927031749.pdf
- 論文元/参考文献2
- 出典/西本 雅人、河合 慎介、今井 正次、日比野 拓:内装木質化の保育室に関する保育者による評価―保育室の内装木質化による保育への効果に関する研究―、日本建築学会計画系論文集、84(756)、355-363、 2019 https://www.aij.or.jp/paper/detail.html?productId=615902
- JWDA公開日
- 確認中...
- ダウンロード