木質内装と植栽が、空間の好印象化や疲労感の緩和に繋がることが明らかになりつつあります

生産性の効果 作業性・業務効率を高める効果

掲載情報の概要

疲労度とタイピング成績の関連をみると、非木質内装では疲労度が大きい被験者は成績が下がる( 所要時間が遅くなる) 傾向があったのに対し、木質内装では平均の差が小さく、木質空間では疲労度が作業の速さに影響しにくい可能性が示されました。

目次

20代から50代の20名に、木質内装(天井・腰壁がマツ・床がナラ)と非木質内装で、緑視率を3条件(0, 5,10%) に変えた実験室(6ケース)における空間印象評価、疲労感などの測定を行いました。また、20歳前後の12名に、木質内装(緑視率5%) と非木質内装(緑視率0%) のオフィス空間において同様の測定を行いました。

空間の印象については、実験室において、やわらかさ・穏やかさ・好み・心地良さなどの項目で、木質内装が有意に高い評価を示しました(図1)。

【図1】空間印象の評価(実験室・Case4との比較)

疲労感については、実験室とオフィスの両方で、木質内装で疲労感が少ないなどの効果がみられました(図2)。

【図2】1 日目の疲労感等の評価(オフィス・実験室)

タイピングについては、オフィスでは木質内装・緑化空間の方が成績の上昇が確認されました。

疲労度とタイピング成績の関連をみると、非木質内装では疲労度が大きい被験者は成績が下がる( 所要時間が遅くなる) 傾向があったのに対し、木質内装では平均の差が小さく、木質空間では疲労度が作業の速さに影響しにくい可能性が示されました。

掲載情報の詳細

論文元/参考文献1
建物の内装木質化のすすめ-科学的データが示す内装木質化の効果- 2024年3月発行 公益財団法人 日本住宅・木材技術センター https://www.howtec.or.jp/files/libs/5636/202409201927031749.pdf
論文元/参考文献2
出典/塩見 真衣、 尾辻 涼佳、 秋元 孝之:木質内装と植栽を用いたバイオフィリックデザインが執務者の知的生産性に及ぼす影響、空気調和・衛生工学会大会学術講演論文集、10、都市・環境編、セッションID J-28、113-116、2021 https://doi.org/10.18948/shasetaikai.2021.10.0_113
論文元/参考文献3
出典/塩見 真衣、秋元 孝之、横山 計三、岩田 明紘、中嶋 祥吾:木質内装及びバイオフィリックデザインが執務者の知的生産性に及ぼす影響(第1報)短時間滞在実験の結果および実験室実験との比較、日本建築学会大会学術講演梗概集、環境工学I、105-106、 2023 https://www.aij.or.jp/paper/detail.html?productId=690804
論文元/参考文献4
出典/岩田 明紘、秋元 孝之、横山 計三、塩見 真衣、中嶋 祥吾:木質内装及びバイオフィリックデザインが執務者の知的生産性に及ぼす影響(第2報)知的生産性評価とアンケート調査による効果検証、日本建築学会大会学術講演梗概集、環境工学I:107-108、 2023 https://www.aij.or.jp/paper/detail.html?productId=690805
JWDA公開日
確認中...
ダウンロード